JCKMカスタムナイフショー2011 レポート
2011年6月25日、26日にかけて行われた「JCKMカスタムナイフショー」に遊びにいって来ました。
震災の影響により4月開催の予定が大幅に延期されたためか、ナイフショー開催を心待ちにしたファンが会場に駆けつけ、会場は大賑わいでした。
では早速会場で展示されていた作品をご紹介します。
作品紹介
相田義人さん
ファイティングナイフ他数本が展示されていました。
目を引いたのはこのファイティングナイフです。ハンドルは大胆に削られたクラシックマイカルタです。
細部まで作者のこだわりを感じる、気品あふれる作品でした。
榊原正樹さん
榊原さんのナイフはちょっと変わっていました。
なにが変わっているのかというと、インプルーヴドハンドルの形状です。
ハンドルの出っ張りがのタング(おしり側)の方へ伸びるように削ってあるのです。
実際握ってみると、まさに手に吸いつくような触り心地で驚きました。
奈良定守さん
様々なオリジナルデザインを並べてあった奈良定さんのテーブルで目を引いたのは、このナイフです。
ジグド・マイカルタを使ったユーティリティです。
使いやすさを重視する場合、ハンドルの凹凸は滑り止めになるという利点があります。
ジグド・マイカルタを十二分に生かすその力量はさすがの一言です。
中山英俊さん
中山さんは大変多忙とのことで、販売する作品はテーブルに置かれていませんでした。
写真のナイフは、お客さんからの預かり物です。
なんと、ハンドルはこういうスタッグがあったわけじゃなく、のっぺりしたスタッグを自分で削ったものだそうです。
なんとクラウンですらなかったとか!!
本人曰く「こんな鹿がいたらいいなと思って作った」とのこと。スゴ過ぎです。
あ、ちなみにシースは木製で、全部彫りモノです。
和田泰宇さん
和田さんのアートナイフはその名のとおり芸術的な作品でした。
独創的なアイデアと、それをそのまま形にできる確かな技術。
恐ろしい方です…
タイ・アーツ・コレクションさん
ロン・レイクが見れました!これは、フォールディングではなくシースナイフだったんですが、なかなか間近でレイクを見るチャンスなんて無いもんですから感動しました。
ボルスターは真鍮じゃありません。ゴールドです。
写真だと分かりませんが、このナイフはフルタングではなくゴールドのラップドタングになっています。
贅の極みですね。
町田一止さん
肥後守がとても素敵でした。
ダマスカス鋼はフォールディングにするとピボットピン付近の摩耗が懸念されるそうですが、町田さんは旨いアイデアでそれを解決しているそうです。
ちなみに写真の肥後守はライナーロックになってるんです!わお!
佐治武士さん
ナイフマガジンの裏表紙といえば佐治武士さんですね。
和式ナイフの重鎮と直接お話できるのもナイフショーならではです。
トップランナーでありながら様々なデザイン、素材を精力的に挑戦する姿勢はさすがです。
伊藤裕翠さん
多種多様な包丁、ナイフが所狭しと並ぶ伊藤さんのテーブルは見ているとワクワクします。
象牙やマンモスなど高級なハンドル材が惜しげもなく付けられた作品が並ぶ姿は圧巻です。
桜井和幸さん
桜井さんは緻密で美しい作品を作っていますが、工具はほとんどなく、手作業がメインだそうです。
恐るべき事です。工具がないというのは言い訳にはならないということをまざまざと見せつけられてしまうわけです。
写真は素材を上手に生かしたパンダナイフ!
鹿山利明さん
東京ナイフの鹿山さんは、現在製作ペースを以前よりかなり遅くしているとのことです。
お年を召してもなおこのクオリティでナイフを作り続けるその情熱には頭が下がります。
加藤清志さん
今年は鍛造部会のイベントがことごとく中止となってしまったため、加藤さんも発表の場が少なかったそうです。
そのおかげ?かテーブルにはたくさんの作品が並べられてあり、見応え充分でした。
そのなかでも目を引いたのがこのナイフ。
スタッグの使い方、ブレードのシェイプ、ダマスカスの美しさ、すべてがかっこ良かった!
横山哲夫さん
横山さんはナイフへの造詣が深く、話がとても面白く、ついついテーブルに長居してしまいます。
ナイフメイキングに対する質問にも快く答えてくれるので、とても勉強になります。
はじめてナイフショーに行った方は是非、横山さんのテーブルへGOです。
田代雅之さん
鍛造の田代さんのテーブルではダマスカス鋼などの材料も売られていたので、コレクターだけでなくナイフを作る人にとっても面白いテーブルでした。
数ある作品の中でも黒染めのこの作品はテーブルで異彩を放っていました。
吉永恒生さん
吉永さんのテーブルにはすごく可愛いナイフがありました。
ダマスカス鋼でできたナイフなんですが、ぴったりの木のケースに入ってしまう桃太郎的なナイフ。
こういう遊び心がある作品は大好きです。
大垣宗義さん
今回大垣さんからは新しいハンドルの提案がありました。
本人曰く削るのがすごく面倒くさいこのハンドルは、タング部分を細めにしてあるのが特徴です。
金杉信一さん
オーソドックスなスタイルながらブレードとハンドルの仕上げの美しさは流石の一言。
手にするのを躊躇うほど美しく光り輝いていました。
那須幸弘さん
彫刻家の那須さんは北海道からの参加です。
ナイフの価値を一気に引き上げてしまうイングレーヴはほんとうに素敵です。ため息でちゃいますね。はあ
安永朋弘さん
安永さんは、シースナイフもフォールディングナイフも自由自在に作ってしまう恐ろしい人です。
オリジナルデザインにも果敢に挑戦されているので、毎回ショーでテーブルを見るのが楽しみです。
浜田智成さん
フォールディングナイフの名手浜田さんもJCKMにゲスト出演されていました。
今回驚いたのは、このソーイングセット。
「作ったのはもちろんナイフだけですよね?」と聞いたら「もちろんハサミもピンセットも全て自分で作りました」と!
おそるべき創作意欲!!
武藤美彦さん
相変わらず美しいアートナイフがテーブルを彩っていました。
特にこのペーパーナイフは美しく上品で、まるで貴族の持ち物のような雰囲気でした。
こういったクオリティの高いアートナイフを作る人達が増えるときっとナイフショーもさらに面白くなりますね。
道中俊明さん
アメリカンボウイナイフのミニチュアがすごく良かったです。
小さいのに存在感がある。まさに神は細部に宿るといった感じでした。
吉川英治さん
吉川さんは現在、杉や松、檜などの国産の木材をハンドルにするナイフを提案されています。
特別な処理をして、木材の収縮などを抑えたハンドル材だそうです。
木目の綺麗な単色のナイフはやさしい雰囲気でした。
河合哲彦さん
河合さんは現在フォールディングナイフ制作に挑戦中で、前回の東京フォールディングナイフショーにも出店していました。フォールディングナイフとしては大型の4インチのものを多数出展されていました。
これがその最新作です。
ハンク石原さん
ハンクさんの最新作は、刀鍛冶の吉原義人氏の打ったブレードを使ったフォールディングナイフです。
名工の打った鋼をハンクさんの独特なデザインに見事に融合させていました。
伊原賢治さん
カーボン、G-10のイメージが強い伊原さんですが、今回はウッドを使ったナイフを展示していました。
これはすでに売約済みだそうですが、ハンドル材を変えることで全くイメージが変わることに驚きました。
坂内好夫さん
先日米国で行われたアトランタブレードショーで見事ベスト・ミニチュア賞4連覇を成し遂げた坂内さんが凱旋されていました。その受賞作がこちら。全長わずか7cm!
本人は5連覇を目指すそうです!期待しています。
以上です。
ありがとうございました。
4 thoughts on “JCKMカスタムナイフショー2011 レポート ”
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なかなか、楽しいレポートでした。
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どの作品もスバラシイの一言ですね!
肥後の守のライナーロック!!
イイですねマネします。
いつも楽しくワクワクな記事に感謝です。
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>すみぼうさん
ありがたきお言葉!
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>Shadow Dancerさん
面白いアイデアですよね!
チャレンジしてみてくださいね!