アップストリームに秘められた美学


相田義人のオリジナル・デザインのアップストリームというモデルがあります。小さな渓流釣り用のナイフで、とてもシンプルな形なんですが、実は意外と手が込んでいて奥深いモデルなのです。今日はそのモデルに秘められた哲学をご紹介します。

 

これがそのアップストリームというモデル。
お客様のオーダーメイドで、ハンドルにはオイルド・ボーンを使用しています。

アップストリーム

どこに手が込んでいるのかというと、ブレードの厚みです。
アップにすると、リカッソの部分が2段になっているのがわかるでしょうか。

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実はこのナイフ、4mm厚の鋼材を使っていて、ブレード部分は2.8mm厚まで削り落としてあるインテグラル構造なのです!通常、この手のブレード長2インチくらいのナイフには3mm厚程度の鋼材を使うのが普通ですが、相田のこだわりで4mm厚から削り出しているのです。
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小さいナイフにあえて厚い鋼材を使うことで、強度の向上をはかる上、見た目や持った時の重厚感、そして高級感も上がる効果もねらっているのです。ちなみにこのリカッソ部分の2段の幅をどのくらいのサイズにするのかというのもセンスが問われる部分でもあります。ただ品質の高いナイフを作るだけじゃなく、良いナイフをよりよく見せる、見せ方の美学がそこにありました。

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なるほど、こういうシンプルなナイフにも作り手の哲学が潜んでいるものなんですね。
やっぱりカスタムナイフって奥深くって面白い!