第32回 JKGナイフショー レポート
去る2011年10月22日、23日にJKGナイフショーが開催されました。
ちょっと遅くなりましたが、今回のナイフショーのレポートです。
実力派の作家が多数集まるナイフショーだけに見応えある作品がたくさんありました。
会場に来れなかった方のためにちょっとだけ作品写真のおすそ分けです。
会場をぐるっと廻る感覚で、どんどん作品を掲載していきます。
撮り忘れてしまった方もいらっしゃるのですが、そこはご愛嬌。
黒沢次夫さん
もはやナイフなのか?と疑いを持たざるをえないほどの魚感!
見てるとお腹が減ってくるレベルですね。
今回は鳥類まで創作の幅が広がっていました。
坂内好夫さん
アメリカのナイフショーでミニチュアナイフ賞を欲しいままにしている坂内さんです。
普通のフォールディングナイフと比べたらこんなに小さいんです!
道中俊明さん
道中さんの芸術的なナイフ。
ハートの透かしがおしゃれですね。デザイン性が高い上、握りやすいハンドルの加工技術はさすがベテランです。道中さんは本場アメリカのナイフギルドメンバーでもあります。さすがです。
川村龍市さん
どちらも最高の出来栄えのナイフでした。
ナイフのアクションもスムーズで文句をつける所がない、完璧なナイフでした。
ナイフ小僧的ベスト・イン・ショーのナイフでした。
築地正晴さん
はじめてJKGナイフショーに参加された築地さん。
縄文時代の土器をモチーフにしたナイフを3点展示されていました。
ハンドル、シースはどちらも木製で、手間を惜しまず作りこんだ作品は圧巻でした。
山本宣弘さん
山本さんのニューヨークスペシャル。
マルーンリネンが渋くてニューヨークスペシャルによく似合っています。
ブレード・ハンドルの仕上げともにさすがフルタイムのプロ・ナイフメーカーの貫禄でした。
五十嵐盛人さん
このシースが印象的でした。ナイフとライトのツインシースです。
こういう多機能なシースはアイデア次第で発展性がありそうです。
奈良定守さん
堅実な作りで、仕上げも見事な奈良定さんです。
ナイフショーがあるたび、毎回新しいアイデアで来場者を楽しませてくれます。
写真はおしゃれなデスクナイフ。
横山哲夫さん
次期JKG会長に就任された横山さん。
この新作はCV-134を完璧なミラーフィニッシュに仕上げていました。
デザインも新たに起こしたようで、ブレイドバックの曲線が美しいナイフでした。
鹿山利明さん
東京ナイフの鹿山さん。
今回は、28丁出しの多徳ナイフを出品していました。
もはや自分でも何がどこに入ってるか忘れちゃったみたいです。
だから後でも作れるようにサンプルとして必ず一つ自分のものとしてキープしているそうですよ。
斎藤博さん
コンシールドにこだわりを持ってナイフ制作をされている斎藤博さん。
カウリXを使った男らしい、この大型ナイフがかっこよかった!
深瀬信夫さん
東京マタギの深瀬さん。
竹の曲がりをそのまま利用して、ナイフデザインに融合させていました。
山本徹さん
山本さんは作りの丁寧さはもちろんのこと、定番の良さを踏襲しつつオリジナリティあふれる作風が魅力です。
きちっとした作りなのに、オールディーな雰囲気を持つこのナイフはまさに紳士の持ち物といった感じでした。
重野守さん
今回、見事ディーラーが選ぶJKG法人部会賞を獲得した重野さん。
最近ではアメリカからのオーダーで手一杯になっているので、ナイフショーにはなかなか出られません。
現在、重野さんのナイフを見ることが出来るのはJKGナイフショーだけ。もっと一杯作って日本のショーにもたくさん出てもらいたいですね。
このスタッグのユーティリティ・ハンターも素晴らしかった!
山﨑英雄さん
これは金ノコの刃をカスタマイズして作ったナイフです。
ハンドル材の鹿の角は山崎さんが編み出した企業秘密の染め方で綺麗に染まっています。
野村和生さん
有色ダマスカスをつかった和式ナイフが出品されていました。
和洋折衷の独特な雰囲気がファンを魅了していました。
松田菊男さん
キクナイフの松田さんが参加されていました。
このククリの驚くべき存在感は圧巻でした。
伊藤裕翠さん
ダマスカスを利用した伊藤さんらしいカスタムナイフが多数出品されていました。
このダマスカスの模様はボールエンドミルを利用して出すんだとか。
松崎猛さん
ため息の出るような精巧な作りのフォールディングナイフが並んでいた松崎さんのテーブル。
これはホースマンズ・ナイフ(9丁出し)です。
マンモスのハンドル材が高級感を醸し出しています。
宮野一郎さん
デザインを見れば名前が浮かぶというのは凄いことですね。
個性的な宮野さんのデザイン。ナイフと言うよりもはや美術品です。
加藤清志さん
これは玉鋼でつくられたカスタムナイフ。
玉鋼と言われると、日本人のDNAがウズウズしてきてしまいますね。
安永朋弘さん
軽いアクションの使いやすそうなフォールディングナイフが展示されていました。
林田英樹さん
ダイビングが趣味の林田さん。ダイビングナイフを展示していました。
実際に自分でダイビングで使用するからこそ生まれるデザインなのでしょう。
伊原賢治さん
お客さんに自分のナイフをよく理解してもらうために、こんなディスプレイを用意していた伊原さん。
自分の技術とこだわりを知ってほしいというナイフに対する真摯な姿勢が伝わります。
松井透さん
ユニークな丸みを帯びたフォルムのナイフ。小型でありながら、使い勝手がよさそうでした。
浜田智成さん
今回、ベスト・イン・ショーを獲得した浜田さん。
受賞作は全て自分で作ったというソーイングセットです。
武藤美彦さん
使うだけがナイフじゃない!
美術品としての価値を持つナイフを作る数少ない武藤さん。今回も多くの来場者の目を楽しませていました。
井原行生さん
ナイフコンテストで昨年に続きベスト・シースナイフ賞を2年連続で獲得した井原さん。
福島で被災されながらも新作をバンバン作ってくるエネルギーはすごい!
町田一止さん
写真中央のナイフ、一見ハンドルが短すぎる印象なんですが、持ってみるとビックリなんです。
革紐の長さが計算されていて、持ってみるとものすごく持ちやすくてすんなり手の中に収まりまるんです。
不思議なナイフでした。
永岡孝さん
東京フォールディングナイフショーなどにも出展されている永岡さん。
下のナイフは、ハンドル材はハニーホーンで、裏に赤いスペーサーを使用しているそうです。
まるで少年時代にみた夕日のような美しいグラデーションが生まれていました。
多松国彦さん
多松さんに今回の自信作は?と聞いたところ、このガットフックだと言われました。
かなりサイズダウンしているんですが、もってみると全くその小ささを意識させない、むしろ使いやすそうなハンドルの形状をしていました。ただのミニチュアではなく、「使えるミニチュア」と言った感じでした。
五百円玉とくらべてもこんなに小さい!
ファイターと比べるとこんなに小さい!
篠崎暁生さん
今回がナイフショー初参加の篠崎さん。オーソドックスなラブレススタイルのナイフを展示されていました。
僕が気に入ったのはこのアイアンウッドのセミスキナー。
今回ナイフショーでたくさんの新しい仲間と、ナイフ作りの情報を手に入れたそうで、来年レベルアップして戻ってくると力強く語ってくれました。
とりあえず、次回の西日本ナイフショーに参加されるそうです。今後の活躍に期待です。
吉川英治さん
吉川さんのテーブルにて、独特なフォルムで存在感を放っていた一本をパチリ。
竹内重利さん
竹内さんがイングレーヴを施すと、どんなナイフもまるで魔法がかかったみたいにあっという間に芸術品になってしまうようです。
成恒正人さん
キャメル(ラクダ)ボーンのハンドルのハンティングナイフ。
独特の雰囲気があって素敵でした。
以上です。
JKGの会員だけが参加できるナイフショーとあって、ご覧のようにハイレベルな作品が多数集まっていました。
新潟や群馬など遠くからのお客様も多く、みんながJKGナイフショーを楽しみにしているんだなと感じました。
これからもっと盛り上がっていってくれることを祈っています。