前回(レビュー1)の続きです。

高本龍雄さん

高本さんは新境地のライナーロックを製作しています。構造的にかなりタイトなロック構造を見事に仕上げていました。このナイフは本人も特にお気に入りの一本でしばらく売るつもりはないんだとか。ナイフメーカーは自分が気に入ったものは売らないという人結構多いですね(苦笑)。

林田英樹さん

ナイフだけでなく、彫刻、シルバーアクセサリー制作、絵画、そしてにんにく農家までこなすマルチなクリエイター、林田英樹さん。今回はお客様からのオーダーで彫刻したクレスラーのインテグラルナイフを展示していました。まるで今にも動き出しそうなほど精巧に彫られたクワガタはたくさんの来場客の足を止めていました。

伊原賢治さん

シンプルで軽量、スムースなアクションが売りの伊原賢治さん。これまでのシンプルなフォルムはそのままに、ポケットクリップを装着したものやブレードにDamasteelを採用したモデルをリリース。新展開がはじまっていて、これまでの伊原ファンもまた新たに物欲をそそられてしまうのではないでしょうか。

美しく妖しいダマススチールのブレード。

間狩純平さん

これまではインテグラルナイフのイメージが強かった間狩さんですが、前回のJKGナイフショーからフォールダーも積極的に製作しています。ニューヨークスペシャルをフリッパーにしたモデルです。ロック部分をハンドル内部に内蔵されたオリジナルの機構です。

桜井和幸さん

ライナーロックの名手、桜井さんのフォールダーはとても魅力的です。懇親会でお話をさせてもらった時に驚いたのは、なんとフォールダーを作るときにアウトラインを簡単に決めるだけで、細かな設計図などは全く書かないんだそうです。長年の経験がなせる業だと思いますがこういう天才肌のナイフメーカーもいるんですね。

かわいいペンギンナイフ!

宮前敏行さん

設計図を書かないといえばこの方も同じ。ピンの位置などは「うーん、このへん!」と勢いで決めるんだとか(笑)。まさに天才肌です。このチキリつきのロックバックはとても人気があって作っても作っても間に合わないようです。

道中俊明さん

このインテグラル、なんとハンドル部分はほぼ鑢で製作したんだそうです。手作業とは思えない精度をいとも簡単に出してしまうとは、さすがアメリカのナイフギルド所属は伊達じゃありません。ハンドルはジラフボーン。夕焼けのような温かみのある雰囲気がとても美しい気品ある一本でした。

鈴木寛さん

テーブルの中央に鎮座したこのド迫力のナイフはさすが熟練のプロメーカーのナイフといった感じ。ダイナミックな星山文隆さんの彫刻と相まって、強いオーラを放っていました。

渡辺隆之さん

お客様がデザインしたというプロ・スキナーはスタイリッシュでかっこいいデザインでした。ちなみにこのナイフに使われているラグ・マイカルタはさまざまな布をごちゃまぜにして固めたマイカルタ。おそらくすでに市場には出回っていない、いわゆるデッドストックのマイカルタです。独特な色合いの美しい素材なのです。

その3に続きます。

2018 JCKM/ JKG鍛造ナイフ部会合同ナイフショー レビュー3

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です