銀座ブレードショー2015 2月 レビュー(前編)
2015年2月1日、銀座ブレードショーが開催されました。過去最高の入場者が訪れたと思われる大盛況でした。
どのテーブルにも人、ひと、ヒト!もはや前に進むのも困難な状態でした。
さて、今回も出展者のみなさんには、テーブルの写真を快く撮らせてもらいました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。ただ、会場が大変混雑していたため、注目していた数名のナイフメーカーの作品が撮れなかったり、ゆっくりお話しできなかったのが残念です。
自らも出展しながらの取材なので、取材時間はちょびっとだけなんですが、会場を回ってみると相変わらず素晴らしい作品が数多く展示され、どのテーブルでも驚きや発見があり、いちファンとして十分にナイフショーを満喫することが出来ました。
このブログをみて少しでもナイフショーに興味をもったならば、ぜひあなたも一度はナイフショーに出かけてこの雰囲気を味わってもらいたいと思います。そんな思いを持ちつつ、少ないですが早速作品を紹介していきましょう!この記事でちょっとでも銀座ブレードショーの「熱」を感じて貰えれば幸いです。
展示テーブル
今回は3名の新人ナイフメーカーが展示テーブルに出展しました。
なんとなく、展示テーブルのレベルも徐々に上がってきているような…そんな印象すら感じる実力派3名でした。
加藤四龍(しりょう)さん
このザク・ナイフを見れば、「ああ、このナイフ!」と思い出す人もいるかもしれません。
昨年のJKGナイフコンテストで、あらゆる方面の話題をかっさらったあのザク・ナイフの作者がいよいよナイフショーにデビューしました。
加藤さんはオリジナルデザインのフォールディング・ナイフをメインに作っていらっしゃいます。
彼の魅力はそのデザイン力とオリジナリティ。近未来的で、タクティカルテイストのフォールディングを多く展示していました。
クローズ時のシルエットも美しい。これまでにないような、新たな感性を持ったナイフメーカーが現れましたね!
新作も楽しみです!
内田啓さん
内田さんは2度目のテーブル出展。前回出展した時は相田義人の工房で習いながら作った作品がメインでしたが、今回は独り立ちした最初の作品群です。ラブレススタイルをすごく熱心に研究して、あらゆる技術を試している真っ最中です。
これはウージックハンター。難しいブレード研削をこともなげにやってしまうあたり、非凡さを感じます。
これは1枚の金属を削り出したもので、ラブレスのグリーンブックに載っている手術用ナイフです。
ラブレスは一体どんな哲学でこのナイフを作ったのか、探求しながら作ったのだそうです。
これはステンレスの粉を樹脂で固めて作ったハンドル。ハンドルを削ることができないので、形状を思い通りに成形するのがすこぶる難しいんだそうです。滑り止めとしてはかなり有能なハンドルでした。
間狩純平さん
昨年のこの銀座ブレードショーをきっかけに、ナイフ作りを本格的に始め、あっという間にテーブルを出す側に回ってしまった間狩さん。
「ナイフ作りが楽しくて仕方ない」と嬉しそうに話す姿や、先輩ナイフメーカーに積極的に質問したり真摯にそのアドバイスをメモする向上心の強さを見ていて、すごく応援したくなるメーカーさんです。
最近はこのイプルーブドハンドルや、インテグラルナイフなど、難しいナイフにも積極的にチャレンジしていて、今後の活躍が期待される新星が現れました。ちなみに「マッカリー」という名前のほうがわかる方も多いかもしれません。彼のブログはほんとに面白いので、ぜひご覧あれ!
一般テーブル
彫家
このショーで売られているような一級品のナイフに、素晴らしい彫刻を入れれば、それはもう自分だけのコレクション・アイテムになります。そんな彫刻を入れてくれるエングレーバーも銀座ブレードショーに展示しています。
会場ですでに彫られているものを探すのもいいですが、コレクションに特別な思いをかけてエングレービングしてみるのもいいかもしれませんね。最近では小池さんのように新たなエングレーバーが現れて、ナイフ業界も楽しくなってきました。
これは土方さんの作品。写真がピンぼけで魅力が伝わらないのが歯がゆいんですが、美しくも力強い彫刻はほんとに魅力的です。
中根祥文さん
中根さんのテーブルで一際目を引いたのがこのマンモスアイボリーのもの。
目の覚めるようなブルー・マンモスで、格調高い作品になっていました。これは使うのもったいないですねw
ちなみに、こんな大きなマンモス牙からとれたのが上のナイフのハンドル1個分だそうです。なんて恐ろしい歩留まり率wwwあれだけ良い物を生み出すには、これだけの犠牲が伴っているんですね。ナイフメーカーって辛い…
(マンモスの写真は中根さんによるもの)
もうちょっとだけ取材しましたので、後編につづきます!