ペティナイフのKydexシースを作る
市販のペティナイフ用のカイデックスシースを製作したので、その工程を紹介します。
仕様
今回のご要望は、以下の通り。
- Kydex ハンターオレンジ
- 固定用のベルトをつけること
- ドレイン(水抜き穴)
- 吊るしたり、ベルトに装着することは考えなくていい
- なるべくコンパクトな形状
下準備
今回は水抜き穴をつけるという要望があるので、カイデックスを成形する前に下準備をします。
ブレードを保護するマスキングはいつもの通り行い、マスキングテープを数枚重ねて貼り付け無駄な部分をカッターで切り落とします。そして水抜き穴の部分は下の写真のように先を割った丸棒を差し込みスペースを確保するようにします。
今回は3㎜の真鍮丸棒を使って、先割れ加工をしました。ちなみにお客さんに教えてもらったんですが、もうちょっと水抜き穴が太くて良いのなら「コンビニで売ってるアメリカンドックの棒」も便利ですw
こんな感じで、水抜き穴用の丸棒をテープで固定し、準備完了です。
Kydexの切断
水抜き穴の大きさも決まったところで、任意の大きさでKydexをカットします。基本的にカイデックスシースを作るときは、もったいないと思いますが、少し大きいくらいのサイズでカットした方がうまくいきます。やり直しするときもしやすいので結果として素材の節約にもなります。
成形
ヒートガンでしっかりと温めてから押して成形します。この写真のように水抜き穴の部分もしっかりと成形することができました。
ベルトループの加工
包丁など、ハンドルなどにひっかかりのないものの場合、Kydexでロックをするのは難しいです。方法は2つあって、一つは今回のようにベルトループを付けて脱落防止をすること、もう一つはなるべく深いシースにしてワークとシースの接地面積を増やして抵抗を持たせること。
今回は前者のベルトループを取り付けるのですが、なるべくコンパクトにしたいので、ループを本体に直接取り付けることにします。穴をあけて、こんな風に穴付近を成形しました。この凹凸部分にループを取り付けるネジを入れます。
完成
あとはいらない部分を切ったり、ハトメを取り付けて完成です!
無事納品も完了。
キャンプサイトで包丁持っていくときってどうしても新聞紙やタオルに巻いて持っていくことになって案外不便なんですよね。こういうケースがあると安全性も増すし、視認性もよくなり「あれ?包丁どこ行った?」みたいなことも少なくなると思います。
お客様からも大変喜んでもらえました。
Kydexでペティナイフのシース製作、とても楽しいですし、完成後の世界が快適になるのでお勧めです!あなたも、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか?