部長こと相田義人の人気モデルであるスモールゲーム。書籍などでは「リバーラント」という名称になっていて、本人に確認したらいつの間にか名前が2つになってしまったとのことですが、同モデルです。最近ではスモールゲームと呼ばれることが多くなっています。

バックパッカーを原型とするナイフで、「リバーラント」とは川の小物という意味。その名の通り、渓流釣りでの魚の処理を目的とし、特にトラウト用にデザインされた。ブレードバックには刃がついておらず、フォールスエッジである。

「カスタムナイフデザイン」宙出版

これを作りたいという方からブランクをお預かりしたので、ブレード研削をお手伝いすることになりました。スウェッジのあるタイプのナイフはスウェッジ側から削っていくのがセオリー。

このナイフは直径2インチのホイールで、堀りの深いホローグラインドにして削っていきます。
削り終えたの姿がこの感じ。

つづいてメインベベルを10インチのホイールで削ります。上下のベベルで使用するホイールが変わるわけですね。下の写真のように、メインを削ると最初に削ったスウェッジとの間に鎬(しのぎ)が現れてきます。鎬が削っていくときの一つの指標になります。

最初の角度付けのための目安のライン(パイロットライン)が削れたら、あとはメインのブレードを広くしていく感じで削っていきます。

パイロットライン

削り終えるとこんな感じに。
スモールゲーム(リバーラント)はキリっとした見た目になってカッコいい。小柄なナイフですが、スウェッジがあるせいか迫力が抜群。ナイフとしての美しさや妖しさをもった美しいデザインのナイフだと思います。

今回はこの状態で納品となりました。あとは自分で磨いたりしてもらって思い通りのナイフに仕上げてもらいます。

というわけで今回はスモールゲームのようなスウェッジありのナイフの削り方をご紹介しました。これはナイフが大きくなればホイールが大きくなるだけだし、ヤスリでやるときも使える技なのでぜひご活用ください!

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