2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー7
世間のナイフ愛好家の間ではすでに銀座ブレードショーの話題がメインですが、関係なくソルバング・ナイフショーのレビューをつづけます!
なぜなら、そこには素晴らしいナイフがたくさんあるからです。
沢山の人にいいものを見て、刺激を受けてもらいたいからです。
そういえば先日、悪友と酒を飲んでいたら、「ナイフなんて興味なかったけど、お前のブログ見てたら、なんだかちょっとカッコいいと思っちゃったぜ」と最高の賛辞をもらいました。
興味のない人が振り向いてくれる、遠ざかっていた人が戻ってきてくれる、そんなことがこのブログの目指すところなんです。
それでは今回でソルバング・ナイフショーの作品紹介は終わりです。
最後までとくとご覧あれ!
これまでのレビューはこちら。お暇ならどうぞ。
2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー1
2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー2
2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー3
2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー4
2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー5
2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー6
KEN STEIGERWALT
1978年から製作開始。ダマスカスやゴールド、美しいハンドルを使用したアートフォルダーを制作しています。
ASTRUM
ロックバックのフォールディングナイフ。ブレードはダマスカス鋼で、フレームはSUS416、14金と黒蝶貝を完璧にインレイしています。
直線のみで構成されたデザインは近未来的でありながらレトロな印象を与えてくれます。
カーブがないナイフ…すごい。
SCOTT SLOBODIAN
1980年代から日本刀を作っている、アメリカを代表するソード・メーカー。
奥さんのバーバラはイングレーヴを担当している。
MUSASHI
短刀。1050カーボンスチールを使用。鞘はカルフォルニア・バックアイという木。
この短刀、なんと家紋(らしきもの)が!日本人から見るとちょっとね・・・(´・ω・`)
BAMBOO FOLDER
肥後守風フォールダーも作っていました。これもイングレーヴは奥さんの手によるものです。
トータル的に That’s Japanese!と言った感じ。
日本語で挨拶もしてくれて嬉しかったです。
RICARDO VELARDE
1992年から製作開始。インテグラルとインターフレームに特化してナイフを製作。
今回もインテグラルのナイフばかりを持参していました。
FULL INTEGRAL LARGE SYMMETRICAL DAGGER
鋼材は本人こだわりのBG-42、ハンドルはウォーラスアイボリーです。
イングレーヴはLucie Bandikova氏によるもの。
時代と逆行しているムダの多い作り方ですが、堅牢性は高く、技術が必要なナイフです。
DANIEL WINKLER & KAREN SHOOK
1976年に製作開始。A.B.Sマスタースミス。
過去の時代を彷彿とさせるデザインのナイフを鍛造で作る。
シースは奥さんのKarenが制作している。
RAZOR RIDGE HUNTER
ダマスカスと銅を鍛接した美しいブレード。ハンドルはエルクの角。
このナイフは本当に幻想的な作りでした。
歴史的な影響を強く受けたデザインながら、全く古さを感じさせません。
鍛造なのにわざわざテーパータングにしてました!
OWEN WOOD
南アフリカ出身。1974年から製作開始。アートフォルダーやダガーを作り、南アフリカのトップメーカーだった。現在はアメリカのアーバダ在住。
ART DECO FOLDER
3つの要素を複合したブレード。
ボルスターもダマスカス鋼でできており、ピボットピンの部分は金とパールで構成されています。
フレームはSUS416です。イングレーヴはイタリア人のVal Trompia氏によるもの。
ブレードはどのように作られたのか全く想像すら出来ません。
恐れ多くて触れることも出来ませんでした。
この他ダガーなども素晴らしいものばかりでした。
TIMOTHY WRIGHT
自らをアーティストというよりむしろ、芸術的特性を備えたツールメーカーと呼ぶ。
技術の高いフィックスドブレードを展示していました。
WATERMELON / PIZZA KNIFE
AEB-L スチールを使用。SUS416のフィッティング。ハンドルはバーズアイ/メープルです。
これだけ幅広で長いブレードを持ちながら、ブレード面のゆらぎなどは一切なく、加工技術の高さを存分にアピールしていました。
このようなシンプルなナイフも作っていました。
ヒルトの形状が独特で前方にカーブを描いています。
全く隙間がなく、インテグラルと見間違うほどの出来栄えでした。
こんなド派手なナイフが集まるショーに、シンプルであるがゆえにごまかしのきかない作品を持ってくるあたり、その自信を垣間見たような気がしました。
以上でソルバング・ナイフショーの作品レビューはおしまいです。
無作為にナイフを掲載していたようですが、会場の並び順に紹介していました。
一緒に会場をぐるっと回ったような感じです。
日本のショーで見ることの出来るカスタムナイフに比べると、派手で豪華で高価なナイフばかりがここには集まっていました。どの作品もため息が出るような出来栄えのものばかり。使う場面なんて全く想像できません。
しかし「ナイフは実用品だ、こんなのはナイフじゃない」という考えの方もいるでしょう。
ただ、世の中はどんどんと便利になり、特に日本ではナイフが必要となる場面はなくなりつつあります。それと同時にナイフの悪いイメージが先行し、マーケットは縮小傾向にあります。そういった状況の中で、このショーに出されていたような芸術的な作品を作り、カスタムナイフをコレクションアイテム化していくというのは、ナイフメーカーとマーケットが生きていく為の「ひとつの解」なのかもしれませんね。
4 thoughts on “2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー7”
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毎回素晴らしい記事で楽しく読ませていただいております。
刺激をうけます!
このようなブログは大変でしょうがナイフ業界にとって重要で大切な情報源の一つです。
応援しています。
頑張ってください。
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毎回、細かいレポート楽しみにして見ています。また、次のナイフショーも、よろしくお願いします。
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>novelessさん
ありがとうございます!がんばります!
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>すみぼうさん
ありがとうございます。次は銀座ショーです!お楽しみに!