アトランタ・ブレードショー 2015 レビュー5
さて、今回も続けていきます。
R.Jean-Louis
2014年にABSのMastersmithに昇格した彼。テーブルにはこんなにひん曲がったナイフが!
実はこれ、ABS(American bladesmith society)というアメリカの鍛造ナイフの技術を広めていく団体の昇格試験に使われたテストピースなのです。Journeymansmithという下積み期間を経て、下の映像のような厳しいテストをパスすれば晴れてMastersmith(熟練職人・名人)の称号を得ることが出来るのです。上のひん曲がったブレードは、そのマスタースミスのテストに合格した証です。
美しいダマスカスと嵌め合いの技術が必要とされるキーホール・ハンドル。
ウォーラスのハンドルは鍛造ナイフメーカーたちに人気がありました。
圧巻だったのはこのソード!まるでファンタジーの世界に出てきそうな気高差すら感じる素晴らしいものでした。日本では絶対お目にかかれません。
鍛造インテグラル・ファイター
残念ながらナイフメーカーの名前を失念してしまいました。
鍛造でダマスカスのファイターを作るだけでもすごいのに、それをインテグラルにしてしまうとは!世界は広い!
DesRosiers knives
若く才能あふれるナイフメーカーです。夫婦でナイフを制作しています。
旦那さんのAdamさんがABS Mastersmith,奥さんのHaleyさんがその一歩手前のJourneymansmithです。すでに数多くのバックオーダーを抱えているのだとか。デザインもカッコイイしダマスカスも綺麗なんです。
David Lisch
ガードがユニークな形をしたスタイルのボウイナイフや、キッチンナイフを美しいダマスカスで製作していました。
ABSのMastersmithたちの作るナイフはどれも品質が高く、ハズレがありませんね。
John Horrigan
この珍しいハンドル材はなんと石なんだそうです!この加工技術は驚くべきことです。
そして、ダマスカスもすごい!
ということで、今回は鍛造ナイフをメインに紹介しました。
アメリカの鍛造メーカーたちははご覧の通りものすごく技術力が高くデザインも洗練されています。
ここで紹介しきれないメーカーもまだまだいるし、その中に若いメーカーも多くいて、アメリカのナイフの世界の裾野の広さをうかがい知ることが出来ました。