2015年 JCKM / JKG鍛造部会合同ナイフショー レビュー3
最終回です。
奈良定守さん
JCKMにも鍛造部会にも所属している奈良定さんのテーブルには、ストック&リムーバブルのナイフと鍛造ナイフの2種類が半分ずつ並んでいます。緻密で正確なグラインドと仕上げは、削り出しでも鍛造でも健在です。
これは小池憲男さんの彫刻が入った合作です。
アイアンウッドの落ち着いた色合いと彫刻が見事に調和していました。
こちらは奈良定さんが自ら鍛造したというブレード。雰囲気は違えど細部まで丁寧さは変わらず、スキのない出来です。
鍛造品にはいつもと違う感じの銘が入るのも渋いですね。
道中俊明さん
思わず目を引いたのは8インチほどあるこのオリジナルの作品。
残念ながら未完成とのことですが、もう既にこの存在感。一体どんな完成を迎えるのか今から楽しみです!
ブレードの形状も複雑で、僕のようなもんには一体どうやって削ったのか想像すらできません!
これにつくスタッグも生半可なサイズじゃありません。
素材の選定と必要数のストックもプロ・ナイフメーカーの務めなのかもしれません。お見事!
多松国彦さん
色気のあるナイフ。そんな言葉が思い浮かんだのがこの多松さんの新作です。
ご本人曰く、「グッチのようなイメージ」で作ったとのことですが、その言葉の通り高級感が漂う魅力的な作品でした。
なんとも艶っぽい。
タングエンドはスプーンのように凹ませた加工がされていて、多松さんのオリジナリティをさらに演出しています。
なかなか真似できない、まさにOne Of a Kindな逸品でした。
浜田智成さん
思わず唸った、あまりに素晴らしいワーンクリフ。
美しいボーンに完璧な仕上げ、日本最高峰のフォールディングナイフがここにありました。
藤田守さん
独特な世界観を持つ藤田さんの今回のアピールポイントは透かし彫りでした。
ひょうたんが浮き出て、より強調されていました。イメージをそのまま具現化する技術に脱帽です。
今回のショーレビューはおしまいです。
これまで紹介してきたとおり、素晴らしいナイフばかりが展示されたハイレベルなナイフショーでした。
来年もJCKMとJKG鍛造部会の合同という形は継続されるとのことで、来年の開催も今から楽しみです!