会社を定年してから、本格的にナイフ作りを始めるお客さんが結構います。

昔からナイフに興味があって作ってみたかったけど一歩踏み出せなかったという方や、材料や工具を揃えたはいいけど子供が生まれてそれどころじゃなくなってしまった方など、理由は人それぞれですが、趣味のナイフメーキングと、仕事と家庭とを両立していくのはなかなか難しいのがほんとのところ。働き盛り&子育て時代を経て、ようやく子供が独り立ちをし、定年を迎えて時間に余裕ができた。「さあ、何かをしよう」と思った時に、若き日に情熱を燃やしたナイフに立ち戻ってきてくれるのです。

東村山在住の関口さんもそんな一人です。
もともとナイフが大好きで、海外出張に行ってはナイフをお土産に買ったりしてその情熱をコントロールしていましたが、3年ほど前、定年を機に本格的にナイフ作りを開始。今では一年に10本くらいのペースでヤスリでのナイフメーキングを楽しんでいます。

関口さん曰く、ナイフ作りの面白いところは、時間をかけられること。
じっくりと作るものを決め、材料を選定し、失敗を繰り返しながら一つのものを作り上げていく。それをゆっくりと楽しめるのが最高なんだとか。作ったナイフは孫や甥っ子さんに渡してキャンプに持って行って使ってもらうそうです。

一番厳しいお客さんは小学生になる女の子のお孫さんなんだとか。「ナイフのサイズやデザインに対して、とびきり辛口のコメントをくれる」と嬉しそうに話しているのが印象的でした。

ナイフ作りを始めるのに遅すぎるということをはありません。
関口さんもこの3年の間に確実に腕を上げて、ご自分で「最初のころ作ったものを見ると恥ずかしい」と言っています。作るたびに自分の成長を感じられるのもナイフ作りの魅力の一つなのかもしれません。

 

 

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