コンベックスグラインド(蛤刃)の削り
外形切り出しとブレードの研削の依頼を頂いたので頑張ってやっていきます。
今回は3層鋼の鋼材で、ゆるやかなコンベックスグラインドで削るというミッションです。替えが効かない鋼材はとにかく緊張します。
まずは、図面をスペーサーに貼り付けてカッターなどで切り出し型紙を作ります。
ダイケムを塗った鋼材に固定してケガキ。そして必要な穴をあけていきます。
バンドソーでアウトラインをざっくり切り出し、その後バーキングで外形をケガキ線通りに削っていきます。結局この切り出しがナイフ作りで一番面倒くさいんです。ここまでできちゃえばもはやナイフは完成したも同然!
ブレードの研削工程
ブレードの研削工程は下のような感じです。
まずは、狭い範囲で基準となる”パイロットライン”を削り、エッジの厚みをほぼ決めてしまいます。それから全体を徐々に広げていくイメージ。
今回のオーダーはゆるやかなコンベックスグラインドということですが、コンベックスだからと言って最初から「まるくな~れ、まるくな~れ、ゆるやかにな~れ」とたわみとかで削ってしまうと、イメージよりも丸いブレードになってしまうので、一度フラットグラインドで削るようにするとうまくいきやすいです。
工程は下の写真のような感じで進んでいきます。
あとは外周を面取り加工。
これはハンドルなどが付かないスケルトンナイフになるので、こういった面取り加工の有無で持ちやすさが全く変わります。
あとはブレードを多少磨いて、熱処理をして納品です。
無事出来上がったのがこちら。図面のイメージに近い形で出来上がりました。
というわけでコンベックスはフラットを目指しつつ、最終的に曲面を付けていくような感じで削っております。