Kydex案件です。

Mission knives

Mission knivesのナイロンシースにはプラスチックのインナーが入っています。インナーは結構ガバガバ状態で、実際ナイフをロックするのはベルトホック。とりあえず何かの拍子で抜けなきゃいいかなといった感じの作りです。おそらくは左右両利き用になっているのかなと推察します。

依頼内容

今回のご依頼はそのインナーをKydexで作りなおしてほしいという内容。

純正を踏襲してそのまま作るのではなく、インナーのカイデックスだけでロックできるようにもしたいとのことでした。

とりあえず筒を作ればいいんでしょ的な適当な考えで引き受けてしまったのですが、意外と難しく、かなり勉強になったのでその情報をシェアします。

製作

とりあえずダミーの板を準備して筒状のものを作ります、と思ってサクサク包もうと思ったら全然うまくいかない…というのも筒状の物を作ろうとするとなんだかふんわりできてしまってサイズが大きくなりすぎてしまうのです。

めちゃくちゃ温めてカイデックスをフニャフニャにしまくってからやってもどうしても側面が膨らんで丸くなってしまい、サイズが大きくなってしまう…困った。

途方に暮れたままその日は家に帰り、くだらないテレビに愚痴を吐きながら発泡酒を煽っているとピンときました。「あれ、これは片側ずつやればいいだけじゃね?」

そう、ワークに対してぴったり作るためには2~3方向から一気に同じ力を加えないと、押しが弱いところに力が分散してしまうのです。ならば、1方向ずつ順を追って成形していけばよいことに気づきました。

結果、このやり方が正解でした。まず折り曲げて、次に上から押す、これを2回繰り返すのです。

筒がうまくできればこっちのもの。あとはカイデックスでナイフをロックする機構を作っちゃえば完成です。全然写真撮ってないので下手くそな絵で工程をお楽しみくださいw

筒状の物から不要なところをカッターでカット。
そして、その残った部分をヒートガンで温めて成形していきます。

完成

で、できあがったのがこれ。

ちなみに純正は黒い方(右側)で、作ったのが左のオリーブの方です。

実際にナイロンシースに入れて表から見た感じはこうなりました。
ご要望の通り、インナーシースだけでロックは完結しておりベルトループは必要なくなりました。通常時はきちんとロックされていますが、ナイフを抜く意思があればスッと抜ける感じ。ナイロンシースど同色系統なので見た目もすっきりしました。

端部はナイフを呼び込む感じにひねってあります。

今回のミッションも何とか無事に完了しました。

全体像。

今回の気づきは「筒状の物や巻き付ける系のカイデックスケースは一気に終わらそうとするな!一辺ずつ押せ」ということ。

このミッションのおかげで私はまた新たな技を手に入れたのでした。カイデックス仲間のみなさまも機会があればぜひお試しあれ。

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