ナイフに入ったオリジナルロゴ。それはカスタムナイフであることの証明。プロもアマも関係なくすべてのナイフメーカーがロゴを持つ権利があります。

今回はオリジナルロゴの製作とナイフへの名入れまでの一連の流れをご紹介します。


今回ご依頼いただいたのは「工房福江のF氏」さん。
数年前からナイフ製作をされていて、いつかはオリジナルのロゴを…ということでデザインをずっと考えておられました。とうとう大まかなデザインが固まり、いよいよ製作することになりました。

元データをデジタル化

ロゴの製作については、基本的にはお客様ご自身にデジタルデータを作ってもらい、それをそのままステンシルにするというのが一番早いやり方なんですが、だれもがパソコンに詳しいわけでもないので、大まかなデザインをMatrix-AIDAでデジタル化したりもしてます。

手書きのラフスケッチを送ってもらってそれをそのままスキャンしてデジタル化したり、少し修正を加えてレタリングしています。FAXでもいいんですが、ちょっと端部ががたがたになってしまったり線が歪んでしまうことがあるので、なるべく原本をお預かりしています。

今回は手書きのラフスケッチを郵送で送っていただきました。
A4くらいの大きさで大きめに書いていただきました。サイズが大きい方が解像度が高くなるため色々と都合がいいです。

これをうちで Illustrator を使ってデジタル化します。
今回はオリジナルをスキャニングしてから手作業でトレースしていきました。こうすることで手書きのブレなどが修正されてシャープなイメージになります。

データ確認

デジタル化できたものをお客様に見ていただき、イメージと齟齬がないか確認してもらいます。併せてナイフに入れる為のサイズをチェック・決定します。デザインとサイズによっては字がつぶれてしまったり線が細くてうまく入らかったりすることもあるので、入念にチェックをしていきます。

製作するナイフの系統や良く作るサイズなどを勘案してサイズを決めていきます。経験上、おおまかに横幅10~20㎜くらいが目安で作ると大体いい感じに仕上がります。

ステンシル製作

F氏にOKをいただき、サイズも問題なしという事なので、いよいよステンシルを製作。だいたい1週間くらいで完成します。

ここでできるのはポジフィルムとステンシル。

ポジフィルムはいわゆる原版。これがあればステンシルを何度でも製作することが出来ます。
ステンシルは実際に名入れの時に使うフィルムのような物。1枚で数十本のナイフに名入れすることが出来ます。使い続けると傷んでくるので、にじみが出る様になったらポジフィルムを使って新しいステンシルを製作します。

例)左の透明のものがポジフィルム(原版)、右のピンク色がステンシル。

名入れ(エッチング)

ステンシルが出来上がったら、いよいよ名入れ。

完成したナイフをお預かりして、任意の位置で電解エッチングによる名入れを行います。
以前名入れした時の動画を撮っておいたので再掲します。

ご覧の通り、ステンレスであればこのように黒く名入れをすることが出来ます。爪で引っ掛かるくらいの深さに彫るので、その部分を削らぬ限りは半永久的にそのマークが消えることはありません。

完成

F氏のナイフにも無事に名入れが完了しました。

ロゴが入ったことで、ナイフがその存在感を増しています。

オリジナルロゴは、自分の製作物であることの証明であり、その品質への決意を示すものでもあります。そしてなにより、ロゴが入ることで製作物への愛着がより一層強くなります。

プロだけではなく、ホビーメーカーの方にもぜひオリジナルのロゴを作ってもらいたいと思っています。

Matrix-AIDAでは、いつでもロゴ製作についてご相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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