鉈のリグラインド(雪辱戦)
新たに鉈のリグラインドをご依頼いただいたので、この前の失敗があったので心配だったのですが、そのことを説明したうえでお請けすることになりました。
今回預かったのはこの鉈。
30年近く愛用しているものだそうで、うっかり先端を欠けさせてしまったり、危うく指を落としかけたりと、一緒に過ごした期間が長く愛着のある鉈なんだそうです。
研いだり、形を直したりしている間に徐々に形が変わってしまってきたので、ここで一発思い切り直したいという事で持ち込みしていただきました。
要望
下記のような依頼内容でお請けしました。
今回の物は鋼の割り込みだったので、削り込んでいくと先端に鋼が露出しない可能性があることを確認してからの作業となります。
- 赤い線に沿って形を変更
- ゆるい蛤刃にグラインド
- 峰の部分を平らにする(薪割りなどに使うときに叩きやすく)
グラインド
慎重かつ大胆に削っていきます。
今回は薄くするのが先端の数センチ部分。
まずは先端部分の外形を削って形を修正
↓
先端から刃先を薄くしていく
↓
全体をグラインドしてならしていく
という流れで作業をしていきました。
てなわけで、削り終えた姿がこちら。
そして気になっていた割り込みの鋼は…
今回は無事、先端まで鋼が入ってました!よかった!
ブレードが無事に削れたので、残りの峰の部分を平らに加工していきます。
あらかたベルトで削り、最終的には手仕上げで1000番まで磨き、鎬をきちっと出しました。この方がカッコいいのでw
最終的に刃付けをしてお客様にご返却。
「週末のキャンプに早速持っていく」と、大変喜んでいただきました。
前回の教訓があったので、事前説明をすることが出来てよかった。
失敗してもそれは経験。そして仕事において無駄な経験はないという事を学びました。