第35回JKGナイフショーレビュー vol.3
続きです。
武藤美彦さん(Yoshihiko Muto)
日本のアートナイフの雄、武藤さんのテーブルはいつも高級感が漂っています。
ハンドルに黒蝶貝をあしらったこのQUISISANAという作品は、ボルスターとシースはシルバーです。
玉虫色に光る黒蝶貝が幻想的な雰囲気を醸し出しています。
尾崎始さん(Hajime Osaki)
若手の実力派、尾崎始さん。
なんとこの方、ナイフはもちろん、エングレーブも自分で(しかも顕微鏡を使わず裸眼で!)施してしまうのです。
ラブレススタイルを踏襲しながらも独自性のあるデザインの作品を次々に生み出しています。
圧巻のサブヒルトファイター。本人曰く一応の完成をみたものの、まだまだ納得いかない部分があり、さらなる改良を加えていくのだそうです。今後注目のナイフメーカーです。
山本徹さん(Toru Yamamoto)
山本徹さんの最近の新モデルはソムリエナイフ。
試作を繰り返し、細部までこだわり抜いたデザインはまさに紳士の道具といった趣き。
コークスクリュー(コルク抜き)はなんと丸棒から削りだしたものなのです。
ハンドルやデザインも多様で、自分の好みに合わせて選べるのも嬉しいですね。
また、山本徹さんの専売特許のラブレススタイルのフォールディング・ナイフも素敵でした。
これはすでに売り切れていました。
斉藤博(Hiroshi Sato)
このスタッグをあまりにも大胆に削ったナイフがおどろきでした。
模様を出すよりも、握りやすさ、使いやすさを追求した結果がこの削りになったんだとか。
藤田守さん(Mamoru Fujita)
日本的な雰囲気を全面に押し出したアートナイフを作り続けている藤田守さん。本人曰くロシアなど海外のディーラーにも人気があるそうです。
今回の新作は鯨の歯をハンドル材に採用し、その形状をデザインに活かした三日月という作品。
これは関市で行われたアウトドアナイフショーで関商工会議所 会頭賞という賞を獲得したとのこと。
松村智朗さん(Tomoo Matsumura)
新潟の包丁メーカー藤寅工業に勤務する松村智朗さん。
やはり包丁とカスタムナイフは、作り方や素材すべてが違うとのことで、日々試行錯誤を繰り返しているそうです。
そんな中、今年はアトランタ・ブレードショーに参加するなど積極的な活動に加え、ナイフコンテストでは月刊つり人賞を見事獲得するなど、今後の活躍が実に楽しみなナイフメーカーです。
まだまだ続きます。お楽しみに!