2012 ソルバング・ナイフショー・レビュー1
2012年4月28日に行われたソルバング・ナイフショーのレビューをお届けします。
会場の様子など
朝10時開場にも関わらず、開場を待てないお客さんが数十分前から会場の外でカタログを広げ、どの順番でテーブルを回るか、どのナイフを買うか吟味していました。
そして、10時の開場とともに多くのお客さんが会場になだれ込んできました。
あっという間に埋まる会場。
1日だけのショーということもあり、会場ははじまりから終わりまで熱気が立ち込めていました。
システムなど
会場に並んだ全てのナイフには、ナイフごとに投票箱が設置されています。
バイヤーは、制限時間内に欲しいナイフの投票箱に自分の名前をかいた紙を投票していきます。
制限時間が来ると、くじ引きの要領で購入権を獲得できるお客さんが決まります。
ほしいものが必ず買える訳ではないため、バイヤーは気に入ったナイフにどんどん投票していきます。
ほとんどのナイフがとても高価なものばかりですが、やはりそのレベルは高く、バイヤーはみな目の色を変えて投票して回っているのが印象的でした。
作品紹介
会場で見て回ったナイフを紹介していきます。
どれも、この2年に一回の特別なナイフショーのために作られたスペシャルなナイフばかりだったので、見応え充分です。できる限り紹介するので、多分ここから数回分に分けた記事になります。あしからず。
W.E.ANKROM
1966年にはじめてナイフを作ったアンクロム。フォールディングからボウイ、ファイティングなど、なんでも作ってしまう超ベテランです。
7-1/2インチの大型の”LARGE FIGHTER”。縞黒檀の美しい目を生かし切っています。
イングレーヴはGil Rudolph。金の象嵌が印象的に使われています。美しい・・・
S.R.Jhonsonとコラボレートした”FOLDING DROP POINT HUNTER”。
美しいパールを使用していました。
CHARLES BENNICA
フランスのナイフメーカー。1988年から制作を開始して、1996年にフルタイムメーカーに。
流線型の美しいフォルムが印象的です。
ハンドルはSUS416で、黒曜石と赤サンゴがインターフレームされています。
独自のロックシステムを公開していました。
メインブレードのピン周りにボールベアリングを利用し、スムーズなアクションを実現しています。
フォールディングだけでなく、このフルインテグラルのナイフもすごかった。
ハンドルのインターフレームはギベオン隕石。周りには金がインレされています。
あとちらっとダイヤモンドも・・・やり過ぎ感あるけど、デザインは独創的でとても魅力的でした。
PHIL BOGUSZEWSKI
1979年に制作開始。1983年からフルタイムメーカー。
スムーズなアクションを誇るフォールディングナイフばかり。とても人気があって、気づいたら売り切れになってました。
”BIG APPLE FOLDER#4” ダマスカス鋼のブレード材、G-10ハンドル。
ちらっと見えるライナーはチタンです。
””FANG" FOLDING BOOT KNIFE #1” こちらはマンモスです。
JOEL CHAMBLIN
1989年から製作開始。伝統的なスリップジョイントの名手。
”SWELL CENTER CONGRESS”
CPM154をブレード材に使用。べっ甲の美しいハンドル材。
ピンは14kの金です。ファイルワークがとても綺麗で、ナイフのイメージにしっくりハマっています。
フックやノコギリがついたWostenholmパターンの”HORSEMAN’S KNIFE”。
”SADDLEHORNE TRAPPER”。
ダマスカス鋼のブレード、モザイクダマスカスのボルスター、黒蝶貝、チタンライナーにゴールドピン。
これほど派手な素材ばかりを使っても嫌味にならないセンスがすごい!
LARY COHEN
今回ショーの中で唯一のスクリムショーを展示しているテーブルです。
彼はスクリムショーのディーラーとして参加しています。
まるで写真のような精巧で美しいスクリムショーがショーを彩っていました。
と、こんな感じでどんどこ紹介していきます。
どのナイフも独創的で美しく、細部まで作り手のこだわりを感じることができます。
めくるめく芸術的なナイフの世界を次回からも紹介していきます。
つづく。