モノとの思い出
東村山の関口さんは趣味でナイフを作り、友人や家族にそれをプレゼントしています。今回はナイフが完成し、名入れのために来店してくれました。
今回製作したのは2本のキャンプ用ナイフ。キャンプを楽しむ小学生のお孫さん二人のために作りました。
もともとは弟くんの方がおじいちゃんの作っているナイフがほしいとオーダーをしてきたのが事の始まり。せっかくだからお兄ちゃんにも作ってあげようかと聞いてみたところ、最初興味がないふりをしていたお兄ちゃんもじゃあ作ってよとまんざらでもない様子だったそうです。
ナイフ作りが進み、お正月に進行状況をお孫さんたちに説明。ハンドルを選ぶ頃には「自分は赤い感じのハンドルがいい!」と、乗り気じゃなかったはずのお兄ちゃんはすでにノリノリだったそうです。
実はプレゼントするのはこれで2本目。
前回は体に合わせてもっと小さなナイフを作ってあげていて、実際キャンプに行ったときにはそれで木を削ったり、バトニングをしたりして遊んでいたそうです。時がたってふたりは成長し、今回プレゼントするナイフもそれに合わせて大きくなって4インチほどの大ぶりなナイフに。大切に使っていけば、大人になっても使える一生もの相棒になってくれそうです。
ナイフ作りをする際に、受け取る相手の顔を思い浮かべながら作るのは最高に楽しい時間です。それが自分の愛する相手ならなおさら。そして、渡したそのナイフを受け取って喜んでくれた顔を見ることや、使った感想を聞くのも嬉しいものです。
手作りのナイフは、大切に使えば作った人と使う人とをつなぐ一生の絆になります。
コピーライター小西利行さんの 「モノより思い出」という名キャッチコピーがありましたが、その人を想って作ったナイフは「想いが詰まったモノ」です。そのナイフと過ごす時間にいつもその想いが寄り添います。
今回の件で言えば、おじいちゃんが作ってくれたナイフがいつもキャンプサイトの傍らにある。それはふたりのお孫さんの大切な「モノとの思い出」、言わばおじいちゃんとの思い出となっていくのでしょうね。