第31回JKGナイフショー 【ナイフコンテスト結果】
死ぬまで進歩するつもりでやればいいではないか。
作に対したら一生懸命に自分のあらんかぎりの力をつくしてやればいいではないか。
後悔は結構だが、これは自己の芸術的良心に対しての話で、世間の批評家やなにかに対して後悔する必要はあるまい。
夏目漱石
今年もJKGナイフショーの開催にて、ナイフコンテストの受賞者の発表と、出展作品の展示が行われました。
今回は今夏の猛暑の影響か、例年よりも少ない全15作品がノミネートされました。
会場にはノミネートされた全ての作品が会場内のショーケースに飾られ、来場者の目を楽しませていました。
受賞作品の紹介
早速、今回の受賞作品をご紹介します。
大賞・ベストフォールディング賞・アートナイフ賞
今回は残念ながら大賞、ベストフォールディング賞、アートナイフ賞は「該当作品なし」とのこと。
流石にJKGは敷居が高いと思わざるを得ませんね。
ベストシース賞
井原行生 「4”バナナスキナー」
ラブレスの名作のコピー作品です。美しいミラー仕上げと、シースの丁寧な仕上げが印象的です。
デザイン・アイデア賞
鈴木伸明 「ライトニング・ライフ」
ダマスチールと木目ヒルト材を印象的に使い、それをデザインに調和させるセンスがすごい!
シースにもセンザンコウの革を使うなど、全てにおいてこだわりを感じる作品です。
藤本メモリアル賞
池添雄太 「ファイター」
なんと、すべてをヤスリ等の手作業で仕上げているという、驚愕の一品です。
「ヤスリでやってるから機械の人には敵わないよ…」なんて言い訳はもう通じません。すんごいの一言です。
鈴木眞メモリアル賞
吉川英治 「ドロップハンター ブラスラップドタング」
名手吉川さんの入魂の一作。写真だと分かりづらいのですが、タングのまわり全てを真鍮でカバーしてあるのです。
奨励賞
渡辺隆之 「ラブレスデザイン ジェントルマンズナイフ」
マンモスアイボリーを使ったシンプルなナイフですが、細部まで作りこまれている技術力の高い作品でした。
辻本充彦 「140mm ハンター」
ZDP189を使用しているそうです。ハンドル材にはバッファローボーン、ヒポアイボリー、アイアンウッドを使用し、素材へのこだわりが伺えます。
中谷祐二 「フォールディングナイフ」
ボール盤と卓上グラインダーで作ったフォールディングナイフです。アクションもスムーズで、とても丁寧な作りのナイフでした。
以上が今回各賞を受賞した作品でした。
この他の、惜しくも受賞を逃した作品も力作ばかりでした。
受賞したものの多くは素材と細部へのこだわりがとびきり優れているように感じました。
これらを見て、発奮してくださることを期待します。
次回のJKGナイフコンテスト大賞はあなたのものかもしれません。
ありがとうございました。
5 thoughts on “第31回JKGナイフショー 【ナイフコンテスト結果】”
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井原行生さんのナイフはブレード自体はシャープなのに暖かさを感じるナイフですね
鈴木伸明さんのシース 2000年からワイントン条約で規制されてませんか?
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>きゃみーさん
そのようですね。国内にあるセンザンコウの皮も底をついてきているようです。それだけでも稀少性の高いシースといえますね。
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きゃみー様
ナイフメーカーの鈴木伸明です。
ご指摘ありがとうございます、
早速回答を申し上げますと、私の購入した革はワシントン条約で輸出入が禁止される以前に日本輸入されていたものであり、その国内にストックされている革を信頼のおける皮革屋にて購入したものです。
象牙やべっ甲などと同じく国内で製造販売は法律により認められておりますがその製品を海外にて販売することは禁止されております。
大変貴重な革であることは確かですね。
ご質問ありがとうございました。
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>novelessさん
なんだかクレームつけたようですみませんでした
私もシースがとっても好きなんです
センザンコウってアルマジロ?て思って検索かけたら 例のワシントン条約がヒットしたので書き込みました。
立ち上がりのRの削りがとても優しくて
ヨーロッパテイストですね
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>きゃみー様
ご意見やご感想、大変ありがたく思います。
気にも留めてもらえない作品しか作れないようではメーカーとして失格だと思いながら製作している僕にとって、反応を頂戴できることがすごく嬉しいです。
今後もデザインや素材を吟味して製作活動に精進致します。
有難うございました。