ナイフのブレードを塩化第二鉄で黒染めする
積層材やダマスカス鋼などの模様を出したり、D-2などの鋼材を黒染めするには、「塩化第二鉄」というものを使用します。これは銅版画などの腐食(エッチング)にも使用されるものでいわゆる腐食液というやつです。
ダマスカスや積層材は、異鋼種を接合しているものです。鋼種によって腐食の進度が違うためそれが模様となって現れるわけです。
D-2のブレードを黒染めしてみる
今回は、実験というかブログネタのため過去にD-2で作ったカイデックス肥後守を黒染めしてみます。
1.ブレードを洗浄
今回は肥後守タイプの折りたたみナイフなのでハンドルからブレードをまるごと取り出します。シースナイフの場合はヒルトやハンドルを取り付ける前に腐食をさせないといけないので、作業工程を間違えないように注意が必要です。
ブレードに油分や汚れなどがあると均等に腐食しないため、この段階で綺麗にブレードを洗浄します。積層材などの場合は腐食させると少しブレードが荒れるのでそれを見越して#2000くらいまでブレードを仕上げておくといいと思います。うちに来るお客様に聞いてみるとミラーにするという方もいます。
2.腐食液に浸す
今回、腐食液は原液のまま使用しました。温めることなどせず、常温のままです。
腐食しやす鋼材の場合は、液につけるとどんどんと腐食が進行していきます。割り箸などで逐一色合いを確認して、ほどよいところで取り出します。
3.完成
5分ほどつけたところで取り出したところ。綺麗に染まりました。(進行が早くてちょっと焦りましたw)
終わったらブレードをきちんと水洗いをして腐食の進行を止め、酸を落とします。その後、アルカリ性の洗剤を全体につけて中和します。
黒いハンドルに似合う感じになって、結構カッコいいかもしれない。
見た目の良さと、黒い皮膜による防錆効果も期待できます。
今回使用したのはこの腐食液。
Amazonで気軽に買えるのでお勧めです。
ただし、腐食液の廃液はそのまま水道に流したりしてはいけません。
ですから中和剤と一緒に購入するようにしてくださいね。
とまあこんな具合でけっこう簡単に黒染めしたり模様出しすることができます。
ダマスカス鋼やVG-10の積層材などをエッチングしたり、ナイフをエイジング処理したり、とにもかくにも自己責任でお楽しみ下さいませ。
3 thoughts on “ナイフのブレードを塩化第二鉄で黒染めする”
初めましてマンモスと申します。
早速ですが、自作ナイフを腐植液に浸したのですが黒くならず赤さびになってしまいました。間違った工程なのでしょうか教えてください。
コメントありがとうございます。
自作したナイフの鋼材の鋼種は何だったのでしょうか?
マンモスですご返答ありがとうございます。
やすりで作ってみました 先程問題が解決しました。
塩化鉄の濃度が、薄かった為黒く染まりませんでした今回は、原液で試したところ
上手く染まりました
有難うございました。
又、分からない事がありましたら宜しくお願い致します。