第32回JKGナイフコンテスト応募作品紹介-1
おかげさまで2016年のJKGナイフコンテストは過去最多応募数を記録しました。
見事に賞を獲得した作品はご紹介しましたが、惜しくも受賞を逃したナイフも受賞作に負けず劣らず素晴らしい作品ばかりでした。せっかくご応募いただいたのでここでご紹介をさせていただきます。
それでは、エントリー番号順に掲載していきます。
※敬称略にて失礼します。
第32回JKGナイフコンテスト応募作品
佐竹正明
STK-020、STK-022
晩秋から早春、厳冬期の根釧原野河川、湖沼の釣行用という限定した用途を想定して製作されたナイフです。極寒の状況下での使用がメインなので、グローブ着用時の使いやすさや雪中の視認性を考慮した色使いなど、緻密な設計がなされたナイフです。
井刈文夫
相田義人アングラー
味のある色合いのエゾジカの角を使用した釣り用ナイフです。レプリカではあるものの、ヒルトのキリオンをつけたり、オリジナルのシースなど、個性を主張したナイフです。ミラー仕上げもとても丁寧に磨かれていました。
小林慶次
ジャイアントヒゴノカミ、タクティカルヒゴノカミ、ファイルワークヒゴノカミ、ワーンクリフヒゴノカミ、シープフットヒゴノカミ
「費用をかけずにそこそこナイフメイキングを楽しむ」というコンセプトで製作されたナイフです。
鋼材やカイデックスの端材、そして市販のボルトナットなどで構成されていますが、道具としての機能を備えたきちんとしたカスタムナイフでした。
佐藤雄二
ラブレス ドロップハンター
ものすごく丁寧に仕上げられていて、全くスキのないナイフでした。初めてベルトサンダーを使用して削ったナイフということでしたが、ブレードの研削は全く狂いのないものでした。ヒルトやボルトにも細かい細工が施され、配色にもこだわりを感じます。
矢吹隆一郎
シースナイフ
使いやすさ重視の細身のデザインをコンセプトに製作されています。ブレードの積層模様は鉄球のサンドブラストで行ったそうです。
吉田雄一
美しいブレードラインを描いたナイフです。一番苦労したのはヒルト周りの加工だそうです。ハンドルの嵌合や、丸く加工された部分など、精度が求められるところを見事に仕上げてあります。
武田良範
5インチ・ユーティリティ
ナイフ製作歴1年ということで、基本に忠実に各部材の接合部を意識して製作したとのこと。とても丁寧に仕上げられていました。これからが楽しみな方がまたひとり現れました。
加藤四龍
小夜嵐
ブッシュナイフを和風に仕上げたという異色作。オリジナリティ溢れる加藤さんらしい作品とも言えます。グラインド技術が見事で、大振りなこのナイフを完璧に削り上げていました。
池添雄太
2 Piece Series
ローンデール時代のラブレスを意識して作られたセットナイフです。
ハンドルとブレード2つだけの構成でここまで魅せる技術、センスはさすがです。
岩田進
Sowbelly 5 blade knife
あえて昨年と同じモデルを作って応募するというスタイル。ネイルマークやスプリングテンションが改良されていました。すぐにでも販売できるレベルです。目の覚めるようなピンクのボーンスラブも個性的です。
水野陽一
3.5″ドロップポイント・ハンター
ブレードに1mmほどのチョイルがあり、研ぎ減りと研ぎやすさを考慮したブレード形状になっています。また、ハンドルを思い切って攻めて削り込んであり、とても握りやすい形状です。ユーザーの立場に立った思想を感じる素晴らしいナイフです。
山田健治
タフに使えそうで、ついつい手にして握りたくなるデザインのナイフでした。
ミラー仕上げはまさに鏡の如き仕上がりで、作品に対する真摯さが伝わってくるほどのものでした。
吉村勉
ラブレス ウィルダネス
はじめてのダブルグラインドのナイフということで、試行錯誤を経て完成に至ったとのことでしたが、なんとも見事な出来栄え!次回作がとても楽しみです。
松本広一
インテグラルファイター
インテグラルのファイターをヤスリだけで製作したという恐ろしい一本です。その心意気だけでも大賞になってもおかしくないレベルです。世の中にはすごい人がいるもんですね。
M-12 13”RAYMOND THORPE BOWIE レプリカ
と思ったら、この松本さん、13インチのレイモンドソープまでヤスリだけで削り上げていました。なんてことだ!
ちょっと長くなるので、今回はこれまで。
次回に続きます!