2016 JCKM/JKG鍛造部会合同ナイフショー レビュー1

2016 JCKM/JKG鍛造部会合同ナイフショー レビュー2

 

の、つづきです。

 

林田英樹さん

昨年のJKGナイフショーのベスト・イン・ショーを皮切りにノリにノってる林田英樹さんは、サンフランシスコ・ダガーをメインにしたラインナップ。一級品の彫刻やスクリムショーも自分でやってしまう、恐るべき才能と技術の持ち主です。

そもそもサンフランシスコ・ダガーというナイフは、分解・組み立てが可能なのだそうで、今回の展示では分解した姿で並べられていました。簡単に分解できて、寸分の狂いもなく再度組み立てができるということは、その加工精度の高さと、中身を見られても恥ずかしくない自信と誇りを持ってものづくりをしているという証左でもあります。

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こちらは七つの海をテーマにしたナイフ。その造形、細工、すべてにこだわり抜いたまさにアートナイフです。
ブレードにあいた穴はシースをロックするための穴で、シースにナイフを入れるとカチッとロックされるように細工してあるのです。

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ウォーラス(セイウチ)の牙で作られたハンドルに、世界地図とキャプテンフックのスクリムショー。
スクリムショーとは点描画のようなもので、素材の表面に細かな点を打ち墨を流し込む手法です。想像するだけどもあまりの細かい作業に意識が遠くなりますね・・・

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間狩純平さん

わずか2年ほどでJCKMのショーにゲストで呼ばれるほどの存在になってしまった間狩さん。たまたま僕がテーブルにおじゃました時には、とあるお客さんが「今のうちに手に入れておいたほうがいいよな・・・」と話していました。それも一理あるかもと思うのが、その意識の高さ。あらゆるナイフメーカーから様々な技術を吸収して、日進月歩で進化しています。

これが最新のナイフ。小池憲男さんとのコラボレーションモデルで、存在感と品格のある作品でした。もちろん加工精度も抜群で、間狩さんの意識の高さ、美的意識を体現するようなナイフでした。
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クレスラーを意識したという、インテグラル・ビッグ・ベア。この存在感たるや!
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インテグラル・ブーツ・ナイフ。こういったものを難なく作ってしまうあたり、非凡さを感じます。
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伊原賢治さん

騰雲名義で活動をしている伊原さんのフォールディングナイフは、動きも重さも軽く、とてもリーズナブルです。
スプリングにカーボンファイバーを採用するなど、さまざまなアイデアを打ち出す革新者でもあります。
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これが内部構造。シンプルながら製作工程にはさまざまなノウハウをもっているベテランです。困ったときに聞けば何事も包み隠さず教えてくれる素晴らしい人格者でもあります。
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藤田守さん

自分だけの世界観をナイフで具現化する藤田さんは、ナイフメーカーというより「表現者」といった方がいいかもしれません。
今回は屋根についてる鬼瓦をモチーフにしたナイフを製作していました。ナイフ本体だけでなく、鞘やディスプレイまでが一つの作品となっています。
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宮前敏行さん

独特のデザインと機構で人気の宮前さんのナイフは魅力的なものばかりでした。
ハンドルに使われる材料も、象牙、べっ甲、白蝶貝など様々な天然素材を駆使していて、観ているだけでも楽しいテーブルになっていました。
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アクションも驚くほどスムーズでした。まるでアシストがついているのかと思うほど軽いアクション。

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ピボットピンに使われているボルトも自作で、専用工具でないとあけることが出来ないようになっているそうです。

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町田一止さん

最近、流行の兆しがある肥後守。
町田さんは自分で鍛造したダマスカスをハンドルにするなど、鍛造ナイフメーカーならではの工夫をされていました。ゴージャスですね!
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ということで、今回のJCKM/JKG鍛造部会合同ナイフショーのレビューは終了です。

これまでにご紹介したとおり、プロ集団といわれるJCKMの名にふさわしい、ハイレベルなナイフばかりが展示された、見応え充分のナイフショーでした。ここに紹介できなかったものも素晴らしナイフばかりでした。

ナイフショーでこういった素晴らしナイフを見ると、欲しくなったり、作りたくなったり、本当に様々な刺激を受けることが出来ます。来年も開催予定ですから、あなたもぜひ実際に会場に行って本物のカスタムナイフに触れてみてくださいね!

 

 

 

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