ブッシュクラフト界隈で人気のESEE KNIVESのESEE Camp-Lore Gibson JG3(3.5″ Stonewash)というモデルのハンドル材交換の依頼をいただきました。ということで工程をご紹介していきます。このナイフのマイカルタをエボナイト・リアルブラックに交換していきますね。

まずボルトをバラします。ネジ止めだったので簡単にハンドル材を外すことができました。開いてみると一つ問題があって、空いているボルト穴は7mmでうちのシュナイダーボルトには合わないことがわかりました。

 

そこで、穴をあけ直すために元々の穴に真鍮の棒を突っ込んでハンマーでカシメます。カシマッて盛り上がったところはヤスリなどで削り落として平面を出します。

 

しっかりカシまればこのように穴をあけても大丈夫。ということで5mmの穴をあけました。これで7×5のシュナイダーボルトを通すことができるようになりました。

 

次にハンドルに穴をあけていきます。
現物合わせで穴を開けるため、このようにバイスでしっかり止めた状態で穴あけを行います。

 

左右のハンドルに穴があきました。

 

ハンドルのケガキ線に沿ってザックリと外形を削り出します。

 

次にハンドル前面の位置合わせを行います。左右のハンドルがずれないように固定しなくてはいけません。今回はその場にあった5mmのドリル2本を通して固定しました。

 

端部を削って形を整えます。このようにすれば左右のハンドルの長さや形を完璧に合わせることができます。

 

この部分(ハンドルの前面)はナイフに取り付けてしまうと後から磨いたりすることができないので先に仕上げておきます。ピカピカになりました。

 

いよいよハンドル材を接着します。接着剤の乗りが良くなるように軽く耐水ペーパーを使って表面を粗しておきます。

 

さっきの5mmのドリルを使って位置がずれないようにしつつ接着します。片側ずつ接着したら外形を削りブレードの形に整形します。

 

これで外形研削は完了です。あとはシェイプを削り出していきます。ここからが一番楽しいところですね!

 

外形をほぼ90%くらいの完成度になるまで削っていきます。これでほぼ完成が見えてきました。

 

段付きドリルを使ってボルト用の段付きの穴をあけます。ハンドルの厚みと削り代を計算して段付きドリルの深さを決めます。シュナイダーボルトの足の長さも調整します。

 

ボルトと一緒にひも穴パイプを入れます。下図のように飛び出てる部分は弓鋸で切断します。その後、ボルト部分を削りハンドル材と高さを合わせつつ最終的な形状に削っていきます。

 

ほぼほぼ完成状態になりました。まだちょっと削り跡が深いのと、ハンドルのお腹部分が厚ぼったい状態です。

 

細かな部分はヤスリで調整していきます。

 

あらかた完成に近づいてきたら、あとは耐水ペーパーで番手を上げつつシコシコと磨いていきます。靴磨きの要領でやっていくと良い丸みがでます。ただし細かい番手のペーパーで長時間研磨すると、ボルトとハンドルに段差ができてしまうので注意します。

 

最後は研磨剤をつかって磨き上げたら完成。
元のハンドル材と比べたらものすごく高級感がでました。

 

ハンドルはラブレスを意識したコークボトル型で、ゆるやかな凹凸ができるようにしました。

 

ということで、今回はハンドル交換の手順をご紹介しました。このあとカイデックスシースも作ったので、そちらの手順もこんど紹介していきます。

 

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