最近になってお店によく来てくれるようになったKさん。これまでずっとコツコツとナイフを作りをされていたのですが、ナイフショーなどとは無縁で、あまり横のつながりがないまま、独学で作り続けていたそうです。

Matrix-AIDAで全長450㎜のものまで熱処理を受け付けているということを知り、訪ねてきてくれたことがお店にいらっしゃるきっかけでした。

はじめて彼が持ち込んでくれたのはダマスカス鋼を使ったアートナイフでした。受け取ったとき、思わず驚き、息をのみました。独特な世界観を持ったナイフ。ものすごい造形と作りこみ。よくよく話を聞くと、牙、角、骨などあらゆうる天然素材も多数コレクションしているそうで、ハンドル材とオリジナリティのあるデザインにこだわりを持ってナイフメイキングを楽しんでいらっしゃいました。

結局、お預かりしたナイフは素材に不備があってうまく熱処理できず(熱処理をしても硬くならない品質の悪いものでした)、残念ながらものにはならなかったのですが、それがきっかけになり、いつの間にかたくさんお話をさせてもらうようになりました。

Kさんの最新作

そんなKさんの新作がこれ。

ブレードバックに切り欠きを入れ、まるで炎が立ち上るかのようなデザインになっています。
極厚のステンレスヒルトは迫力抜群。黒水牛、真鍮、白水牛、ベークライトを彩り豊かに使ったハンドルは派手な形状ブレードに見事にマッチしています。これほどのナイフ、せっかくならたくさんの人に見てもらった方がいいと思い、今回ここで紹介させていただきました。

ナイフ作りは孤独じゃない

ナイフを作ってる人なら、頑張って完成までこぎつけたナイフを誰かに見てもらいたい、認めてもらいたいと思うのが人情です。そして、どんなナイフにも様々な想いや失敗談が隠れているもの。そんなことを語り合うのもナイフメイキングの醍醐味のひとつです。

今ではKさんがお店に来ると、「ここの加工が大変だった」とか「この失敗はどうして起きたのか」とかテーブルに置かれた彼のナイフを肴に、メイキング談義を楽しくさせていただくようになりました。

ナイフ作りは孤独じゃありません。
こうやってナイフが好きな人同士がゆるやかにつながって、楽しくお互いに刺激しあって、みんなが長く楽しんで続けれられたらいいなと思っています。そこにMatrix-AIDAが寄り添うように存在できていればうれしいなと思っています。

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