ダブルグラインドの研削をするとき心がける事
さて今回はお客様から支給されたATS-34を削ります。替えがないサイズということで失敗できないミッションで緊張感あります。さて、頂いた図面はダブルグラインドのブレードでしたので、今回はダブルグラインドを削るときのコツなどをご紹介しながら工程をかいていこうと思います。
6㎜厚の鋼材から深めのホローで削るイメージという感じで、スエッジが3インチ、メインベベルが5インチという指定がありました。
相田義人に「ダブルグラインドを削る場合はスエッジから削るのがセオリー」と習いましたので、それに忠実に削っていきます。段取りとして立ち上がりの位置を明確にするためにマスキングテープを貼ります。マジックで印をつける人やストッパーを使う人もいると思いますが、マスキングテープが一番視認しやすい上、削るときの邪魔にならないと思っています。ぜひお試しあれ。
続いてメインベベルを削ります。立ち上がりを緩やかにするという指定なので、ベベルと立ち上がりを別工程で削っていくことにしました。ここでもマスキングテープを貼ってベベルの始まりを一定にするようにしています。(バケツの冷却水を長い間変えてなかったのでさびやすくなってたみたいです…)
そんなことで、最後の立ち上がりの部分を慎重に削って無事にグラインド完了です!
ホイール径が小さい3インチと5インチのホローグラインドであることと、鋼材の厚みがあることで鎬がくっきりと浮かび上がるのですごく迫力のあるブレードになりました。いただいた図面と比較したのが下の図。平面がりったになるとものすごい迫力になるのがわかります。お客様にも想像よりかっこよくなったと言っていただきました。よかったー。
というわけで、今回は
1.ダブルグラインドのナイフはスエッジ側から削ること
2.立ち上がりの位置を合わせる時には、マスキングテープが便利だよ
というお話でした。
鑢で削る人も、ベルトサンダーで削る人も共通のコツなので、ダブルグラインドするときはぜひお試しください。
もっと良い方法があるとか、自分はこうやってるととかあれば教えてくれたらうれしいです。
ちなみに、ダブルグラインドは1本のナイフで4回ベベルを削ることになるので、普通のナイフを削るのと比べて2倍練習できるのでお得です。技術力アップするにはもってこいですので、通常のナイフをつくり慣れてきたら、ぜひトライしてみてください!