JKGナイフコンテスト 2014 その他の応募作品
前回もお伝えしたとおり、今回のナイフコンテストはハイレベルな作品が多く、選考は難航しました。
惜しくも受賞を逃したとはいえ、受賞作以外の作品も素晴らしいものばかりでした。
せっかくなのでこの場でご紹介させていただきたいと思います。
松本広一さん
作品名:ランドールM-1 “All-Purpose fighting knife” カスタムオーダー7”コピー
ヤスリでの作業でここまでの大物を仕上げた渾身作です。
ブレードの仕上げをオリジナルのサテン仕上げに似せて仕上げるなど、ランドールへの愛情を強く感じる一作でした。
鈴木謙祐さん
作品名:3” ストリーム
バッファローのジグドボーンを使用した、実用的なナイフ。本体もシースも実に丁寧な仕上がりでした。
奥田敏朗さん
作品名:BBQ & Utility(BBQ & ユーティリティ)
なんと御年80歳の挑戦者。和鹿の角の先端部分を大胆に使用しています。
こちらも削りは電動工具を使わずヤスリで製作されています。
ブレードが左右どちら向きでも挿入できるシースというアイデア作品でもあります。
間狩純平さん
作品名:mountain stream
山女釣りに使う目的で、自分がほしいと思うナイフを具現化したものとのこと。
佐藤正行さん
作品名:4-1/2″ドロップ
一級品のスタッグを使用した素晴らしい作品でした。
インレイされたカワセミは島田英承さんによるもの。
伊東峰樹さん
作品名:小波(さざなみ)
ブレードは波、ハンドルは海、スタンドは浜をイメージして作られたアーティスティックなフォールディングナイフ。
ハンドル材はウッドマイカルタに青と緑のレジンを盛り、銀箔を封入してある自作のものです。
武市広樹さん
作品名:Dear(Deer) Me
Rock edge works名義でプロ・ナイフメーカーとして活動している武市広樹さんの作品。
基本モデルはランドールM8のトラウト・アンド・バードで、それを大型化したもの。
星山文隆さん
作品名:ハイドアウトのコピー
今やイングレーバーとして活動している星山さんですが、今回は自作のナイフに彫刻を施した意欲作を2作品で応募です。
山田健治さん
作品名:房の守(ふさのかみ)
身幅の広いブレードを見事にフラットグラインドで削り抜いた意欲作です。
大胆なデザインでありながら、細部まで丁寧に仕上げてあるのがすごく印象的でした。
田中義幸さん
作品名:望竿頭
船釣で、隣の客と「おまつり」をした時に仕掛けを素早く切断できるように、この構造のブレードにしたそうです。
田中さんは、根付にもチャレンジしているそうで、来年はさらにレベルアップした作品で応募すると意気込んでいらっしゃいました。今からとても楽しみです。
金井洋一郎さん
作品名:South Island Utility(サウス・アイランド・ユーティリティ)
ハワイアンなイメージで制作したというナイフ。金井さんのこだわりは全体のシルエットと色使いとのこと。
中里友之さん
作品名:オールドセミスキナー
オーソドックスなラブレススタイルで真っ向勝負です。
カリンのハンドルもいい味を出していて、作品名の通り、古き良きラブレスナイフといった趣きでした。
八木正尚さん
作品名:2インチ スキナー FG
ブレードパターンは相田義人の2インチスキナーを元にしてデザインしたもの。
フィンガーグルーブを多くしても使い勝手が悪くならないよう、位置・ボリュームの決定に苦心したとのこと。
製作をはじめて7本目のということで、これからが楽しみなナイフメーカーです。
有松誠治さん
作品名:トラッパー
オールディーな雰囲気がたまらない作品でした。
スリムなハンドルに対してできるだけ大きめのブレードをつけるのに苦労したとのこと。
完成までにスプリングを何度も作りなおすしたとのこと。一生懸命作ってくださったのがひしひしと伝わる作品でした。
藤田守さん
作品名:久遠(くおん)
鯨の歯をまるごと1本をデザインに取り込み、自身の世界観を表現していました。
ブレードバックの真鍮ピンは装飾だけでなく滑り止めとしても機能するこだわりなんだとか。
向大喬さん
作品名:ラブレスデザイン スキナー
ハンターでもある向さんが、自分で使用するために作ったもの。
皮剥ぎ専用に使用するので、出来る限り刃を薄く仕上げたのだそうです。
ハンドルもかなり薄くまで削ってあり、攻めたなーという印象でした。
関谷泰樹さん
作品名:ハンティングナイフ
ハンドルにタガヤサンを使用しています。スが多く苦労したそうです。
シンプルながら全体の仕上げはとても丁寧で、おしゃれにモザイクピンを使うなど、センスあふれる作品でした。
加藤四龍さん
作品名:ザク・フォルダー
ナイフコンテスト終了後、いくつかマトリックス・アイダで作品を飾らせてもらったのですが、このナイフがもっとも反響が大きかったです。まさかのザクをフォールディング化した作品です。ブレード形状はヒートホークになっています。ガンダムマニア垂涎のカスタムナイフではないでしょうか?
以上で今回のコンテスト応募作すべてをご紹介しました。
前回の受賞作はもちろんのこと、今回ご紹介した数々の作品も負けず劣らずだったでしょ?
あなたの一番気に入ったナイフは一体どのナイフでしたか?
さいごに
繰り返しになりますが、一生懸命ナイフを作って応募してくれる皆さんがいてくれるおかげで、今回も無事にJKGナイフコンテストが開催できました。本当にありがとうございました。
今回、惜しくも受賞を逃してしまった方々も、ご本人がお分かりの通り、その差は本当にごく僅かなものでした。ぜひ次回、今回よりもさらに良いものや審査員を驚かせるようなものを作って、雪辱を果たして下さい。お待ちしています。
今回コンテストに参加できなかった方、応募をためらってしまった方、今年はじめてコンテストの存在を知った方、JKGでは毎年9月上旬頃にナイフコンテスト作品を応募しています。ぜひ来年のコンテストに照準を合わせて1本だけでも気合の入れたナイフを作ってみませんか?あなたのご参加をお待ちしています。次回大賞をとるのはあなたかもしれませんよ。